近々出演するコンサート、ライヴ、イベント、講座などの情報です。
一部、事前予約が必要な公演、イベントもありますので、詳細はリンク先(主催者)または坂本にお問いあわせください。
2024/4/2(火) 1920 La Paz (ラパス) (大阪市北区)
教会暦で巡る初期ルター派のビチニウム ― 第12回 復活節:わたしたちの主は復活し、再び現れる
長井舞(リコーダー)+坂本卓也(バロック・ヴァイオリン)
violon baroque
中世カトリック教会の在り方に疑問を投げかけたマルティン・ルターはカトリックから破門され、自身による会派を組織することになりました。
初期ルター派ではラテン語のミサがあげられ、ラテン語の聖歌も歌われており、現在のルーテル教会のものよりもずっと中世カトリックに近いものでした。
2022年11月にはじまった本シリーズですが、現在2サイクルめ、2024年の教会暦に沿った選曲でビチニウムをとりあげています。ルネサンス・ポリフォニーの技法が凝縮されたビチニウムの一曲一曲は短いものですが、教会暦や引用された聖書の言葉についてのトークを交えながら、各回十数曲のビチニウムを紹介してゆきます。
リコーダーとバロック・ヴァイオリンの2声による、最小編成のポリフォニーをお楽しみください。
―キリストの埋葬のためのビチニウム / Bicinia pro Sepultura Christi.―
作者不詳 《わたしは死を恐れません》(ルカによる福音書23による, J. v. ボイスト) anonyme «Mortem non metuo» (Joachim von Beust, ex Luca 23) («Bicinia sacra», XXIX, 1642)―復活徹夜祭のためのビチニウム / Bicinia ad Vigiliam Paschalem.―
H. イザーク 《よろこびのうちに入ってゆきなさい》(詩編 99:2) Heirich ISAAC «Intrate in conspectu eius» (Psalmus 99:2) (Diphona amœna et florida, XCI, 1549)―復活日(パスカ)のためのビチニウム / Bicinia in Festo Paschatos.―
M. エッケル 《お祝いの日々、万歳! 永遠に尊い時間》(V. フォルトゥナトゥス) Matthias ECKEL «Salve festa dies toto venerabilis aevo» (Venantius Fortunatus) 作者不詳 《死から蘇ったキリストは》(ローマの信徒への手紙 6:9) anonyme «Christus resurgens ex mortuis» (Romanos 6:9) (Biciniorum, Prima Pars XXVI, 1607) 作者不詳 《キリストは死から命を取り戻し》(J. v. ボイスト, マタイによる福音書28 & マルコによる福音書16 (?)による) anonyme «Morte refert vitam Christus» (Joachim von Beust (ex Matthaee 28 & Marco 16 (?)) («Bicinia sacra», XXX, 1642) M. ルター & M. プレトリウス 《キリストは死に繋がれた》(ブルゴーニュのヴィポ『復活祭のいけにえに』または 作者不詳『キリストはよみがえった』による) Martin LUTHER & Michael PRAETORIUS «Christ lag in Todes Banden» (ex Wipo Burgundiensis «Victimae paschali laudes» aut Anonymus «Christ ist erstanden») («Erfurt Enchiridion», XIX, 1524. & «Musæ sioniæ» Tomus 9, XXII, 1610.) M. ルター (?) & M. プレトリウス 《イエス・キリスト、わたしたちの救い主》(M. ルター) Martin LUTHER (?) & Michael PRAETORIUS «Jesus Christus, unser Heilandt» (M. Luther) («Kirchengesenge Deudtsch», 1545. & «Musæ sioniæ» Tomus 9, XXIV, 1610.)―復活の月曜日ためのビチニウム / Bicinia in Feria secunda Paschatos.―
作者不詳 《わたしたちとともにお泊まりください》(ルカによる福音書24:29) anonyme «Mane nobiscum» (Lucas 24:29) (Biciniorum, Prima Pars XXVII, 1607) 作者不詳 《トマスの手を引いて》(J. v. ボイスト, ヨハネによる福音書20:24-29 による) anonyme «Qui tractare manu Thomam» (Joachim von Beust ex Ioanne 20:24-29) («Bicinia sacra», XXXII, 1642)―復活節第2主日(いま生まれた乳飲み子のように)のためのビチニウム / Bicinia pro Dominica Quasimodogeniti.―
作者不詳 《イエスは自分の弟子たちの真ん中に立って》(ルカによる福音書24:36, 39) anonyme «Stetit Iesus in medio discipulorum suorum» (Lucas 24:36, 39) (Biciniorum, Prima Pars XXVIII, 1607) 作者不詳 《トマスよ、神の言葉を信じなさい》(J. v. ボイスト, ヨハネによる福音書20:24-29 による) anonyme «Crede Dei verbo Thoma» (Joachim von Beust ex Ioanne 20:24-29) («Bicinia sacra», XXXIII, 1642)―復活節第3主日(主のいつくしみの主日)のためのビチニウム / Bicinia pro Dominica Misericordias Domini.―
作者不詳 《わたしは良い羊飼い》,《わたしは良い羊飼い》(ヨハネによる福音書 10:14-15) anonyme «Ego sum Pastor bonus», «Ich bin ein guter Hirte» (Ioannes 10:14-15) (Biciniorum, Prima Pars XXX & XXIX, 1607)―復活節第4主日(歓喜の主日)のためのビチニウム / Bicinia pro Dominica Iubilate.―
作者不詳 《よくよくあなたがたに言っておく》(ヨハネによる福音書16:20) anonyme «Amen, Amen, dico vobis» (Ioannes 16:20) (Biciniorum, Prima Pars XXXI & XXXI, 1607) 作者不詳 《はじめに苦しみがあるが》(J. v. ボイスト, ヨハネによる福音書16:16-24 による) anonyme «In partu dolor est» (Joachim von Beust ex Ioanne 16:16-24) («Bicinia sacra», XXXVI, 1642)―復活節第5主日(主に向かって新しい歌を歌え)のためのビチニウム / Bicinia pro Dominica Cantate
作者不詳 《わたしが去らなければ、聖霊はあなたがたのもとにはやって来ません》(ヨハネによる福音書16:7) anonyme «Nisi abiero paracletus non veniet ad vos» (Ioannes 16:7) (Biciniorum, Prima Pars XXXI & XXXI, 1607)―復活節第6主日(喜びの声を)のためのビチニウム / Bicinia pro Dominica Vocem Iucunditatis
作者不詳 《願いなさい、そうすれば与えられます》(ヨハネによる福音書16:24, 23) anonyme «Petite, et accipietis» (Ioannes 16:24, 23) (Biciniorum, Prima Pars XXXIII, 1607)2024/4/25(木) 1430 神戸聖愛教会 (神戸市中央区)
コーロムジカヴィーヴァ特別編成管弦楽団
alto
F. ドゥランテ 《マニフィカート》 Francesco DURANTE «Magnificat», RV611 (ca. 1717) W. A. モーツァルト ミサ・ブレヴィス 変ロ長調 Wolfgang Amadeus MOZART Missa brevis (1777), K.275 ほか
2024/5/23(木) 1920 La Paz (ラパス) (大阪市北区)
教会暦で巡る初期ルター派のビチニウム ― 第13回 聖霊降臨説:キリストが天に上げられ、聖霊が降る
長井舞(リコーダー)+坂本卓也(バロック・ヴァイオリン)
violon baroque
中世カトリック教会の在り方に疑問を投げかけたマルティン・ルターはカトリックから破門され、自身による会派を組織することになりました。
初期ルター派ではラテン語のミサがあげられ、ラテン語の聖歌も歌われており、現在のルーテル教会のものよりもずっと中世カトリックに近いものでした。そんな初期のルター派が残した膨大な数のビチニウムは、一曲一曲は短いものですが、ルネサンス・ポリフォニーの技法が凝縮された傑作にあふれています。
本シリーズでは、その時期の教会暦や引用された聖書の言葉についてのトークを交えながら、各回十数曲のビチニウムを紹介していますが、2024年の教会暦シリーズは本公演で終了し、次は晩秋に総集編を予定しています。本公演では、リコーダーとバロック・ヴァイオリンの2声による、聖霊降臨説のビチニウムをお楽しみください。
―キリストの昇天のためののビチニウム / Bicinium pro Festo Ascensionis Christi―
作者不詳 《世界のすべての地域に行き、述べ伝えなさい》(マルコによる福音書16:15-16) anonyme «Ite in orbem universum prædicate dicentes» (Marcus 16:15-16) (Biciniorum, Prima Pars XXXIV, 1607) ほか
『初期ルター派による 待降節のためのビチニウム集』リリースのお知らせ
2023年4月30日(日)、音楽ダウンロードカード『初期ルター派による待降節のためのビチニウム集』を発売いたしました。
「ビチニウム」とは2声のポリフォニー楽曲を指し、中世カトリック教会の在り方に疑問を投げかけたマルティン・ルターが活動したヴィッテンベルクなどで16世紀中ごろからおよそ100年間にわたって多数出版されました。
本音源ではそれらのビチニウムのなかから、救い主キリストの生誕を待ち望む「待降節」のためのビチニウムを、長井舞のリコーダーと、坂本卓也のバロック・ヴァイオリンでハイレゾ収録しました。2声による、最小編成のポリフォニーをお楽しみください。
本商品は音楽カードSONOCAに歌詞対訳ブックレットを付けたものです。カードには7曲収録、ハイレゾ音源(flac)・圧縮音源(mp3)がそれぞれ1回ずつダウンロードできます。音源ダウンロード期限は 2026年3月30日です。
現在、コンサートシリーズ「教会暦で巡る 初期ルター派のビチニウム」および、坂本音楽スタヂオの出店する同人誌イベントにて販売を行っています。
*イベント出店スケジュールは坂本音楽スタヂオのウェブサイトに掲載しております。
収録楽曲
―待降節第1主日のためのビチニウム / Bicinia pro Dominicis prima Adventus―
A. ブリュメル 《主よ、あなたの道をわたしに知らせ》(詩編 24:4-5, 16, 20) Antoine BRUMEL «Vias tuas Domine demonstra mihi» (Psalmi 24:4-5, 16, 20) (Bicinia Gallica Latina Germanica, Primus Tomus, LX, 1545) 作者不詳 《いと高きところにホサナ》(マルコによる福音書 11:9-10) anonyme «Hosianna in excelsis» (Marcus 11:9-10) («Biciniorum», Prima Pars, I, 1607) M. ルター & M. プレトリウス 《いま来てください、国々の救い主よ》 Martin LUTHER & Michael PRAETORIUS «Nu kom der Heiden heiland» («Erfurt Enchiridion», XXI, 1524. & «Musæ sioniæ» Tomus 9, XII, 1610.) 作者不詳 《ロバを見てどうするのか》(マタイによる福音書 21:1-9, J. v. ボイスト) anonyme «Quid spectas Asinum» (Matthaeus 21:1-9, Joachim von Beust) («Bicinia sacra», LXXXII, 1642)―待降節第2主日のためのビチニウム / Bicinia pro Dominicis secunda Adventus―
作者不詳 《見なさい、主が来られるだろう》(ゼカリヤ書 14:5-6) anonyme «Ecce, Dominus veniet» (Zechariah 14:5-6) («Biciniorum», Prima Pars, II, 1607)―待降節第3主日のためのビチニウム / Bicinia pro Dominicis tertia Adventus―
作者不詳 《書かれているのはこの人のことです》(ルカによる福音書 7:27) anonyme «Hic est, de quo scriptum est» (Lucas 7:27) («Biciniorum», Prima Pars, III, 1607)―待降節第4主日のためのビチニウム / Bicinia pro Dominicis quarta Adventus―
作者不詳 《荒れ野に叫ぶ声が聞こえる》(イザヤ書 40:3) anonyme «Vox clamantis in deserto» (Isaias 40:3) («Biciniorum», Prima Pars, IIII, 1607)ジョスカン・デ・プレ作曲 シャンソン«千々の悲しみ»
2023年1月25日(水) 長崎・浦上天主堂にて開催のコンサート「響け!平和の鐘 プレミアムコンサート」より。
*「バチカンと日本 100年プロジェクト」チャンネルより
作者不詳 «美しきドエット»
2022年11月4日(金) 東京・ガルバホール新宿jにて開催のコンサート「十字軍と残された女たちのシャンソン 〜13世紀の室内歌曲」より。
*「中世音楽センター Medieval Music Center Japan」チャンネルより
ギヨーム・ド・マショー作曲 ロンドー«5, 1, 13, 8, 9. まことの愛とともに»
「ひょっとしたら世界初かもしれない【楽師憑依型ASMR古楽配信】かぶらもち その3」(2021年6月生配信)より。
*イヤホンまたはヘッドホンでお聴きください。スピーカーではぼやっと再生されてしまいます。
アダン・ド・ラ・アル作曲 ロンドー«生きているかぎり»
徘徊古楽 YouTube チャンネルより。(2021年5月収録)
ギヨーム・ド・マショー作曲 ロンドー«甘くやさしいそのお顔»
徘徊古楽 YouTube チャンネルより。(2021年5月収録)
ギヨーム・ド・マショー作曲 バラード«フォルチューヌのために悩みと喜びを»
徘徊古楽 YouTube チャンネルより。(2021年2月収録)
オルティス作曲 «あまい思い出»によるレセルカーダ第2番
2018年1月1日朝7時に開演した、「2018年、おそらく世界でもっとも早い古楽ライヴ『天満貴族』」より。
オルティス作曲 «あまい思い出»によるレセルカーダ第2番
同じ曲ですが、2017年3月のコンサートより。
«Ishgard ancien, Aube et Danse» (古のイシュガルド、夜明けと舞曲)
ファイナルファンタジー XIV 奏天のイシュガルドコンテスト応募作品
F. ベンダ作曲 ヴァイオリン・ソナタより «シシリエンヌ»
2014年10月のコンサートのリハーサルより。
都倉俊一作曲 «ペッパー警部»
2011年のライヴより。演奏はモモセ、ポンタ。
F. ショパン作曲 ノクターン 嬰ハ短調(遺作)
2011年のライヴより。演奏はモモセ、ポンタ。
ヴィオラ、バロック・ヴァイオリンを大津睦、J.-Ph.ヴァッサールの各氏に師事。また、バロック・ヴァイオリンをL.v.ダール、E.ガッティ、A.タンピエーリの各氏に、中世音楽理論をルドン絢子氏に、ソルミゼーションを辻康介氏に学ぶ。
ヴィエール(中世フィドル)、バロック~モダン~エレクトリック・ヴァイオリン、ヴィオラを自在に持ち替え、中世、ルネサンス、バロック、クラシック、ポピュラー、昭和歌謡と、幅広く演奏活動を行っている。
坂本音楽スタヂオでは大人のアマチュア奏者、身体トラブルを抱えた演奏家、古楽アプローチを学ぶ演奏家に対し手厚くサポートや指導を行っているほか、大阪中世まつりなど中世音楽にかかわるイベントを開催している。
日本中世フィドル協会大阪支部長。